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思うがまま。

映画「神様のカルテ2」感想

観に行ってきました。
前作の映画と原作は読んだけど、2の原作は未読。
本当に優しい物語でした。
以下、物語のざっくりした流れなどネタバレを多大に含みます。時系列がぐちゃぐちゃかもしれません。
台詞は、こんなニュアンスということで受け取ってもらえたら。

 













相変わらず24時間365日診療を掲げる本条病院で忙しく働く栗原一止(櫻井翔)。妻である榛名(宮崎あおい)は妊娠中。
御嶽荘には新しい住人・屋久杉(濱田岳)が、本庄病院には大学時代同じ将棋部に所属していた進藤(藤原竜也)がやって来る。
旧友との再会に喜ぶ一止だったが、彼は診療時間が終わったらすぐに帰り、帰宅後の病院からのコールには一切でない。自分が主治医である患者の看取りも当直医に任せる。
各部署からもクレームが出始め、一止も、自身の考え方とはあまりに違う進藤の振る舞いにいら立ちを隠せない。
「主治医って何だ?」と尋ねる進藤に、主治医とは患者の不安や痛みを取り除く存在だと説明して「辞書にどう載っているかは知らないが呼び出しにも応じない、患者の看取りも当直医に任せるというのは主治医のそれではない」と批判する一止。
ついには、看護師の説得に応じずに帰宅しようとする進藤にコーヒーを浴びせてしまう。
「患者に説明をして帰るか、看護師に事情を話して帰るかいずれかを選べ」という一止に「お前とは優先順位が違う」とだけ言い残して帰宅する進藤。
しかし後日、夜間救急に進藤の娘が熱性けいれんで搬送されてくる。
進藤の妻は、かつて一止も思いを寄せた大学時代の将棋部の後輩である千夏だが、進藤は東京で小児科医として働く妻と離れ信州に戻って来ていた。
進藤が幼い娘のために、定時に上がり夜間の呼び出しに応じずにいたことを知る一止。
「どうして言わなかった」と問う一止に「医者の都合なんて患者には関係ない」と答えた進藤は、「患者はそうでも、スタッフは違う。事情を知っていれば協力は惜しまない」という一止に妻のことを話し始める。
「千夏はもうお前が知っている千夏とは違う」
小児科医として進藤と同じ病院で働いていたが、子育てのために休職した千夏は、職場復帰して1年間の遅れを取り戻そうと必死に働いていた。
しかし一度だけ体調不良のために病院を休んだことがあり、その日に自身が主治医を務める患者が亡くなってしまう。
そのことで患者の家族から「うちの子が辛い時にどうして医者が自分の都合で休むの?あなた主治医でしょう!」などと辛辣な言葉を投げかけられた千夏はそれ以後、一度も休まず病院にも頻繁に泊まり込むように。
娘が熱を出した時も、病院のロビーで待つ進藤と、抱きかかえられた娘のことを一瞥してそのまま患者の元へと行ってしまった。
「そんな千夏を見てみんながいいお医者様ですねっていうんだ。栗原、いい医者って何だ?お前が病院にいるってことは、その間ずっと家族と一緒に居られないってことだ。夫婦って何だ、栗原」と問う進藤に応えられない一止。
同じころ、貫田(柄本明)が倒れ、検査の結果悪性リンパ腫であることが発覚。血液のがんと呼ばれる病魔に襲われ、本庄病院内で治療を受けることになった貫田。
妻の千代(市毛良枝)は、一止同様にずっと患者第一で過ごしてきた貫田と、はじめてゆっくり顔を突き合わせるのが病院なんて皮肉ね、と笑う。
病状はかなり進行しており、大学病院にいる貫田のかつての同僚・高山(西岡徳馬)にも協力を仰ぐが貫田はこのまま本庄病院に残ると言う。
一止が、本庄病院を訪れた高山にそれを伝えようとすると「あいつはここに残ると言ったでしょう。そういうと思ってました」と返した高山は、貫田がどうして24時間365日診療にこだわるのかを語る。
まだ高山も本庄病院に居た頃、千代に子供が出来た。しかし生まれそうになったその夜、どこにも婦人科医がおらず結局そのまま初めてできた赤ん坊を流産してしまうことになった。
そのことから、貫田は「こんな悲しいことは二度と起こしちゃいけない」と、大学病院に戻る道を捨ててこの本庄病院に残ったと聞かされる一止。
間もなく、血液内科医である進藤を主治医としての貫田の治療が始まることになる。
しかし貫田は2、3日化学療法の開始を待ってくれという。その間、貫田はナースステーションでカルテを漁って看護師に病室へ戻るよう促されるも応じず、そのままそこで倒れてしまう。
話を聞いて病室に駆けつけた一止は、病室の中から聞こえてくる貫田の泣き声に胸の締め付けられるような思いをする。
その後、治療は開始され、貫田は痛みに耐える日々を送っていた。
病室では、千代が楽しそうに貫田との思い出を榛名に語る。常念岳に登った際、貫田と山小屋を抜け出して満点の星空を見たことがあるという千代。
「私が、星がきれいですね、って言ったらこの人、星なんてどうでもいいんです。あなたの方が大事です、って」
「そんなこと言ったかなぁ」ととぼける貫田に「言いましたよ」と返す千代。
しかし病状はさらに進行。進藤は千代に「強い薬に切り替えますが、それでももって春まで…」と話をする。
「こういう時、家族の方が参ってしまうことがよくあります。何かあればすぐに言ってください。主治医である僕も、スタッフもみんなで支えます」と真摯に告げる進藤。
千代は「ありがとう。覚悟が出来ました」と返す。
何かできることはないかと考える一止は、御嶽荘の住人たちの会話からヒントを得る。
進藤や砂山(要潤)、東西の協力を得て屋上へと千代と貫田を連れ出す一止達。
病室の明かりを東西たちが消し、進藤はこれまで消えることのなかった、本庄病院の24時間365日の看板の電源を落とす。
明かりが消えたことによって見えるようになった満天の星空を眺める千代と貫田。
「今まで本当にありがとう」
貫田の言葉を聞き、見つめる千代。1分足らずでも星空を見せられたことに、医者にも治療以外でできることがあると思う一止。
計画実行の間、進藤の娘の様子を見ていた榛名は、戻って来た進藤に「栗原がうらやましいな。こんな風に支えてくれる人がすぐ傍にいて」と言われる。
「私もイチさんに支えられていますから」
「病院ばっかりでろくに帰ってこないアイツが?」
「山を登っているとき、辛くなることがあるんですけど、イチさんも今辛い中で頑張っているんだと思うと次の一歩を踏み出せるんです」
翌日、院長たちのまえに、昨日停電が起きてもいないのに病院中の電気が消えるなんてことは前代未聞だと呼び出される一止ら。
「医療はボランティアではなくビジネスだ」として院内の意識改革や、ヘリポートなどの計画を進めてきた事務方の人間から「医者としての自覚を」「医師は治療さえしていればいい」との言葉を浴びせられ、思わず「医者の話ではない、人間の話をしているのだ!」と声を荒げる一止。
さらに東西は「なんか勘違いだったみたいですね。病棟は何も以上ありませんでしたけど」と返す。
事務方が詰め寄ろうとすると院長が「今回は不問にしましょう」と言い出す。「私は医療に理想を語る青臭い若者が嫌いだ。しかし理想を語らない若者はもっと嫌いだ」と告げ、一止らがお咎めを受けることはなかった。
そしてついにその日が訪れる。
東西、一止、進藤が見守る中、千代が貫田の酸素マスクを外す。
すると貫田は、昔見た常念岳の星空を見るように天井を眺める。
「きれいな星空だなぁ」という貫田。
「星なんてどうでもいいんです。…あなたの方が大事です」
そう返した千代の言葉を聞いて、貫田は静かに息を引き取った。
一止は、「こんな医療の底辺でも希望はある。その希望は、君たちだ」と言った貫田から受け取っていた、貫田自筆の33人分のカルテを眺める。
貫田が受け持っていた患者に関して、細かい情報を記載した自作のカルテだった。
治療を遅らせ、ナースステーションでカルテを漁っていたのはこれを作るためだったんだと気付く一止。

「これは1人の医者の枠を超えた、神様のカルテだ」

進藤は、東京で働く千夏に電話をする。
「千夏を一番追いつめていたのは俺だったのかもしれない。母親なのに子供のそばにいないなんてって」そう言って、今までずっと言えずにいた気持ちを話し出す。
最後に、「大丈夫なのか、千夏」と声をかける進藤に、千夏は電話口で泣いていた。

進藤の娘の誕生日を祝うため、進藤の家へ向かう一止と榛名。
「もう、しばらくは2人でおでかけすることもないんですね」
「もう次の撮影の計画を立てているのか?」
「いいえ、それはもっと先のことです」
「……ああ、そうか。これからは2人ではなくて、3人になるのだな…」

進藤の家に着くと、宅配便が。
中身は、娘の誕生日を祝うケーキだった。
【たんじょうびおめでとう ママより】
それを見て喜ぶ娘を眺めながら、進藤は一止に「本当はお前がいるから本庄病院を選んだんだ。お前はまだここにいると思った。…来て正解だった」と告げた。

当直で今日も忙しく働く一止の元に榛名が出産したとの知らせが入る。
「行ってきたら?」という外村(吉瀬美智子)に「まだ勤務中だ」と言うも、カルテを落としたり椅子につまずいたりと心ここにあらずな一止。
「そんな状態でいられても迷惑なだけだから行って来なさい」と外村にあきれ顔で言われてしまう。
「すまん」
言い残し、榛名の元へと走っていく一止――――。



という感じで了。
もう、泣いた。
病院の屋上で観た星空のシーンと、貫田先生が亡くなるときのシーンはもうたまらなかった。
昔星空のもとで言われた言葉を、今度は夫に返す妻。
そして安心したように息を引き取る夫。
辛い治療も、すべて信頼できるスタッフと医者と妻がいたからこそ耐えれたんだろうな。
高山先生が「今日は医者の顔をしてきてしまったので」って言って貫田先生に会わずに帰った後日、きちんと普段着で手土産持って現れたのも良かった。
流れのところにかけなかったけど、佐藤次郎さん演じる糖尿病患者が、元気のない患者のごはんを一緒に食べてどんどん気持ちをほぐしていくのも見ててすごく幸せになった。
本来、糖尿病の治療のために入院してて食事制限をしなければいけない患者。
けれどそれを治療の放棄とみなさずに、「1日5回、1階から5階まで階段昇降、水分は取るように。ただし水かお茶です」と言って他の患者とのコミュニケーションを容認する栗原先生。
本来、病院でそんなことしてたらまぁ強制退院だろうけど(笑)。
結局、事務方の人間にバレてしまって、病床の空きのためにも退院させられることになって、すみませんと謝る一止くんに「病院の事情も分かります。実は同業なんです。医者が糖尿病ってなると示しがつかないんで休職してここに来たんです」と言う。まさかの同業者(笑)。
でもだからこそ、元気のない患者に元気を出させたいとか、その為にどうしたらいいかとか、考えることが出来たのかもしれない。
にしても、コーヒーかけ事件の後、東西に「看護師の前でそんなことしたら示しがつかないでしょう。進藤先生の面子だってあるのに」と言われ怒られた一止が「お前がいたらああはなっていなかった」って言ったところにこの2人の信頼関係の深さを見た気がする。
東西さんってすごく人との距離の取り方が絶妙な感じがする。こういう人がいると本当に医者と看護師間が円滑に回るんだろうなと。
一止は不器用なんだけど、仕事面では東西さんにすごい助けられてる。
プライベートの面では、絶対的に支えてくれる榛名がいる。
けど、進藤と千夏は2人とも不器用すぎてうまく支え合えない。
でも、だからこそ一番リアルな気がするこの夫婦が。
今回は、医者の勤務の実態とか、医者にとっての患者と家族の優先順位とか、人によって考え方の違う、きっと完璧な答えは出ることのないものがテーマの一部に盛り込まれててて。
進藤は経験から、娘を一番に大事にしようと思った。これは進藤のにとって後悔しないための正解なんだと思うし。
一止は榛名のことを大事だけど、患者を放っておける人間ではない。それはきっと榛名が一番よく分かってる。
一止が、榛名に優しく抱きしめられているシーンはもう榛名の包容力のたまものというか。本当によくできた奥さん。
一止がわかりやすいというのもあるけど、一止の顔色を見ただけで「嬉しいことがあったんですね」「何か大変なことが起きているんですね」と全てを見通してしまう榛名。
榛名自身に、確立された世界観があるからこそ、一止のことを受け止められるんだろうな。
十分頼っていると思うんだけど「イチさんは辛い時に頼ってくれない」と言うんだから、榛名の包容力たるや。
千代さんすらも癒してしまう榛名のすごさ。千代さんが御嶽荘を訪ねてきた時の「お茶入れますね」は最高に良かった。
濱田君も良かった。絶妙な味がありますよね。
翔くんはとにかく、あんだけ顔面整ってるのに、この神様のカルテでの栗原一止という役はすごく冴えない。
もちろん髪型とか服装、立ち振る舞いもあるんだけど雰囲気がもう冴えないわけで。その雰囲気を醸し出してるのはやっぱ翔くんで。ああ、すごいなって。
個人としては榛名とのシーンはすべて推したいわけですが、佐藤さん演じる糖尿病患者にカマを掛けるシーンは良かったです。
是非是非、神様のカルテは3も考えていただきたいくらい。
ほとんど感想よりも全体の流れを追う感じになったけど、全体の流れのとこで書いた台詞はすごい印象に残ってるものばっかりです。

いや~良かった。また栗原先生に会えたらいいな。